設計
設計部 宇都宮設計2課
工学部 建築学科 卒
建築の道を歩もうと思ったきっかけは、中学時代に新築した実家が建つまでの過程です。親と担当者が打ち合わせする姿を間近で見て、どことなく「カッコいいな」と思いました。人が帰ってくる空間、暮らしを身近に感じる空間が好きでしたし「住まいはこうして作られていくんだ」と興味が湧いてきて。大学進学の際に気持ちが固まり、建築科へ進みました。就活では「学ぶのではなく、経験を重ねることが大切」と話す教授の言葉に共感して住宅メーカーに絞り、栃木県内で建築棟数の多い栃木セキスイハイムを志望しました。
入社後は、まず生産管理課で図面を書きながら住宅の基礎知識を学び、設計課に配属されたのは2020年です。設計課では、平日に現場や役所での調査と社内ミーティング、土日は終日お客様との打ち合わせを行なっています。初回の打ち合わせの際はお客様のイメージを伺い、「こういう住まいが好みだろうか?」と思いを巡らせます。そして次回の打ち合わせでは、設計図面のほかにもイメージを描いてお客様にご提案します。お客様に「それ、かっこいいですね」と気に入っていただけた時は嬉しいですし、お引き渡しの際に「やっぱり、これ良いなあ」とお話しいただけた時の喜びは他には代えられない体験でした。
打ち合わせの度に細やかにご要望を伺いご提案を重ねることで、お客様が望む住まいを形づくる。答えが無い大変さもありますが、それも良い経験と捉えて楽しんでいます。
設計担当として1年半が経った頃、ある案件でお客様からたくさんのご要望をご相談いただきました。その頃の私は業務に慣れ、ご提案を楽しく感じていて。ご要望に応えられるように様々なイメージをご提案したところ、お客様は「とても良いですね!イメージ通りです」と私の提案をほとんど受け入れてくださいました。お引き渡しの際にも「お願いして良かったです!」と言ってくださって、達成感がありました。綿密に打ち合わせを重ねる分、お客様との関係も深くなりますし、やはり思い入れも深まりますね。先日も営業から「この間お会いした時も喜ばれていて、食事にも誘ってもらえた」と聞き、嬉しくなりました。
一方では、なかなかお客様のご要望に応えきれずにご提案まで時間がかかってしまったこともありました。私にとっての苦手分野で、部材の名前は知っているけれど細やかな部分を把握できていないような状態で。一から調べ直し対応しましたが、お客様は打ち合わせの場で密に意見交換できたほうが実になるはずですし、その後の工事の進捗も変わります。
わからないことがある時、先輩や上司に相談することは大切だと思います。みなさん親身になって教えてくださいます。ですが、私の場合はまずは自分で調べることを心掛けています。人に聞いてその場で答えだけを知るのではなく、背景を理解するプロセスを踏むことで理解を深められますし、確かに成長できると考えています。
お客様の要望をフレキシブルに形にする設計所長は、目標としている存在です。設計部に配属された際に「お客様のイメージを形にするだけではなく、その場でわかりやすく提案もできると良いね」と“設計の心構え”を教えていただきました。「このプランなら、どう提案する?」と人・家具・パースを書きながら、「なぜ、この空間が良いのか?」とさりげなく掘り下げてくださります。お客様の要望を的確に形にする姿を見て「こういう人になりたい」と心から思いましたね。
お客様は“住まいを持つ”という夢を叶えに来られる方がほとんどです。大きな責任を伴う仕事ではありますが、その分責任以上のやりがいを感じられます。お客様が持つ家づくりへの熱量を側で感じて、その方の生活をイメージしながら空間を設計することはとても楽しいです。だからこそ今日も自分を磨こう、頑張っていこうと思えますね。